鰹節 値上げ 高騰 画像

 

数年前からカツオ節の価格上昇が続いています。

「値段が上がるってことは、原料になるカツオの収穫量が減っているのかな?」

 

 

漁業界の現状を全く知らない私はこんな見当違いの理由を考えていましたが、

どうやら収穫量ではなく、周辺各国の政策が一番の原因みたいです。

 

 

カツオ節が高級食材になる? 鰹節価格高騰一番の原因は近隣諸国の入漁料

 

 

遠洋漁業をする場合、外国の排他的経済水域(EEZ)で漁業をすることになりますが、

入漁料を支払ってから収穫する決まりになっています。

 

 

以前の入漁料は水揚げ高の5%程度が通常でした。

 

 

しかし、ミクロネシア連邦、パプアニューギニア、キリバス

など赤道付近に排他的経済水域を持つ8か国の国々は

2012年から操業日数ごとに入漁料を支払うようにするシステムに変更。

 

2012年は1日あたり5000ドル

2014年は6000ドル

2015年は8000ドル

と徐々にえげつない値上げを繰り返しています。

 

 

入漁料にかかる費用は、以前と比較すると4~5倍になり、

年間支払額は2億円かかっているのだそうです。

 

 

また、周辺国は操業枠の入札制度など 

収入の最大化のための制度も新たに導入され、

日本の漁業関係者は

「良好だった島しょ国との関係が様変わりした」

と話しています。

「東アジアにはあり得ないくらい援助してきたのに、

この仕打ちはないんじゃないか!?この人でなし!!」

と言いたいところですが、各国生きていくのに精いっぱい、なんですかね・・・

悲しい現実です。) 

 

 

かつお節とマグロの値段は円安ドル高の影響も受けている 値上げの原因

 

 

また、ここ10数年でマグロ・カツオの需要・供給のバランスが

大きく変動しています。

 

 

シーチキンなどの缶詰はバンコクにある業者が最大の需要家になっています。

マグロの値段がどんどん上がっていくため、現在はツナ缶にも

従来のキハダマグロではなく、カツオも缶詰の加工に使われるようになりました。

 

 

この需要箇所の変動がどうカツオ節の値段高騰につながるのかという所なのですが・・・

 

 

まず、現在カツオの需要の7割を占めているのはバンコクにある業者です。

バンコクのカツオ需要はここ10数年で急増したのですが、

その結果、7割のカツオを輸入するカツオ大国になってしまいました。

 

 

そうなると、バンコクの冷凍カツオの相場が

世界の冷凍かつおの相場に大きな影響を与えるようになります。

 

 

バンコクのカツオ需要はここ4年間で5割近くも急騰しています。

つまり、今の時代日本以外の国が魚を大量に輸入するため

値段が国際レベルでどんどん吊り上がっているんですね。

 

 

また、現在アベノミクスによる円安が続いています

ちなみに、バンコクの通貨はドルです。

 

ドル高の国がカツオを購入する価格と

円安の日本がカツオを輸入・購入する価格は

当然ながら違ってきます。

 

従って、今は世界経済的にも、各国の政策上でも、

日本のカツオ価格は値上がりせざるを得ない状況にあるのです。

 

 

漁業の世界事情はなんだか大変そうですが、

日本産のかつお節も負けてはいません。

 

「出汁が良く出る」「味が美味しい」「安全で信頼できる」

という理由で、本場薩摩のかつお節が大人気なんだそうです。

 

 

最近、マクドナルドや焼肉屋で食材の問題をよくニュースで目にしますが、

今の時代安すぎる食材を買うのはちょっとした勇気が必要だと思います。

 

かつお節をビクビク怯えながら料理に使うよりも

できれば美味しくカツオ節を頂きたいですよね。

(というわけで、かつお節など、だし類も

通販で購入しているチキンな私の心の声は

ここで終わりたいと思います。誠にありがとうございました。)

 

 (国産カツオ節・・・最高オォッ!!)