MRJ 画像 初飛行 写真

「三菱MRJ(リージョナルジェット)が国産航空機を初めて初飛行・離着陸に

成功させたけど、肝心の性能ってライバル機と比較してどうなんだろう?」

「出遅れ感が否めないけれど、海外の旅客機と渡り合っていけるの?」

 

 

先日初飛行がニュースで話題になった三菱航空機のMRJですが、

数々のライバル飛行機がいる中、ロシアや中国勢にも先を越され、

先行きを不安視する人達も出てきています。

 

 

しかし、そこは日本の技術が詰め込まれた国産旅客機MRJ。

エンジン性能もさることながら、寸法に対する居住性・航続距離・販売価格でも

海外メーカー勢と互角以上で比べられる性能を持っていました。

 

 

今回は、かつてゼロ戦を世に送り出した三菱重工業が生み出した、

信頼の日本製旅客機MRJの性能・詳細スペックを他メーカーと比較し、

三菱リージョナルジェットの持ち味を余すことなくお伝えしたいと思います。

 

関連記事(ホンダも超小型ジェット機に現在進行中で頑張ってるみたいです)

ホンダジェット 価格・航続距離 ライバル社との性能比較で

 

三菱リージョナルジェット(MRJ)のライバル機メーカー

 

 

まず、三菱リージョナルジェット(MRJ)の立ち位置についてですが、

mrjは、100人以下の座席数を持つ、小型旅客機に分類されます。

(正確には、乗せられる搭乗者数は70~85名・92名です。)

 

 

三菱が開発した飛行機の名前の「リージョナルジェット」というのは、

50名以上100人以下の旅客機の敬称でもありますので、

日本初の旅客機は、その名の通り小型旅客機という位置づけなんですね。

 

 

日本発ジェット機・MRJはこの大きさの需要に戦いを挑んでいくのですが、

このクラスで大きくシェアを取っているライバル機メーカーは、

大きく分けて2社存在しています。

 

 

MRJのライバル機その1 ブラジル・エンブラエル E-Jet(エンブラエル175)

 

 

対抗馬がブラジルメーカーと聞くと意外な気もしますが、

エンブラエル社はれっきとしたブラジル国営の航空機メーカーとして名を馳せており、

70~124席までの座席数を持つモデルを4シリーズに分けて販売しています。

 

エンブラエル 旅客機 画像 写真

 

上の画像が三菱航空機のライバル機となる、

ブラジルのエンブラエル170の全体写真です。

86席前後の座席数を持っていますので、

MRJはこの機体と直接対決することになります。

 

 

ちなみにこちらのエンブラエル170の機体、

初飛行の日付は2002年2月19日とかなり昔から飛んでいたので、

世界中での長期間の使用経験からくる信頼感が脅威といえます。

 

 

MRJライバル機その2 カナダ・ボンバルディア ボンバルディアCシリーズ

 

 

続いてのMRJライバル機、カナダのボンバルディア社は、

1936年創業の老舗メーカーです。

昔はスノーモービルの製造・販売・修理工場として商売を始めて以来、

今では航空宇宙部門・鉄道部門と様々な部署をもっている大手メーカーです。

 

ボンバルディア cシリーズ 画像

 

上のジェット機の画像は、ボンバルディア社・Cシリーズの新型旅客機の写真です。

2013年に初飛行・離着陸を成功させたばかりのピッカピカ新作機なので、

外観のデザインも心なしかスタイリッシュでカッコよく見えます。

 

 

乗客は100~150名ほどと、MRJやエンブラエル170と比較すると

少し大型なタイプになります。

 

 

しかしながら、こちらもブラジル勢と同じで

長い間培ってきた絶大な信頼性がウリですので、

日本にとっては強敵となるでしょう。

 

 

三菱航空機・MRJとライバル機を比較検討 やっぱり日本製のスペックは高性能 ゼロ戦を産みだした国の技術力はダテじゃなかった

 

 

(海外メーカーも頑張っているように見えますが、

やはり侍ジャパンの力は世界的に見てもスゴイみたいで注目の的です。)

 

 

ここまでMRJのライバルジェット機の詳細を説明してきましたが、

上手くいくのか不安に思ったのではないでしょうか?

 

 

「こんなに実績ある海外メーカーとの競争に果たして日本は勝てるのか?」

「開発費1800億円かけて利益は出るのか?」

と。

 

 

しかし、公開されたカタログスペック値によると、

三菱航空機・MRJはとても高性能、その上低価格を実現していることが

判明しました。これは嬉しいニュースです。

 

 

三菱MRJのエンジン性能比較 燃費・騒音・環境性能

 

国産航空機 ジェット エンジン 名前pw1200g

 

三菱航空機のMRJに搭載されているエンジンメーカーは、

アメリカ合衆国プラット&ホイットニー社(P&H社)のものです。

(上の画像の近未来的なエンジンにデザインされた

 カッコイイロゴマークが(P&H社)のシンボルです。)

 

 

エンジンの名前はPW1200Gエンジンと呼びます。

従来の飛行機と比較して、20%以上の低燃費を実現し、

ブラジル・エンブラエムジェット機と比べて40%の騒音削減ができる

人にも環境にも優しく配慮された設計がなされています。

 

 

また、MRJに使用される100万点の部品の約3割は

日本企業が手掛けており、機体の設計も国内開発のスーパーコンピュータが

使われている、名実ともにMRJはジャパンオリジナルモデルとなっています。

 

 

三菱航空機の外観・寸法 仕様

 

 

MRJの外寸法・全体の大きさですが、

大型バージョンのMRJ90

縦幅35.8メートル、横幅29.2メートル、高さ10.4メートル

 

小型バージョンのMRJ70が

縦幅33.4メートル、横幅29.2メートル、高さ10.4メートル

となっています。

 

 

MRJに使われている材料・素材についてですが、

競合他社がコストの安い鉄を使用した飛行機を作る中、

三菱MRJは最先端の炭素素材技術を使用し、

世界トップクラスの強度と重量の軽さを誇っています。

 

 

それに加えて、カーボンファイバーを用いて軽量化することで

さらなる燃費向上・安全性・安定性能を効率化しています。

 

 

三菱航空機・MRJの内装比較

 

三菱リージョナルジェット 内装 座席 性能

 

次に、内装面のデザイン・仕組みですが、

「新しい快適さ」というコンセプトを全体のテーマとしており、

モダンかつスタイリッシュな客室空間が計画・設計されています。

(上の画像はMRJの座席写真です。

全体的に丸みのある近未来的なデザインを採用しています。)

 

 

天井の高さは約2メートルと、ブラジル・カナダ等の海外メーカーと比べても

非常に高く、高身長な外国人も屈まずに快適な空間で過ごせるようになっています。

 

 

また、座席シートも薄型化を重視することで、

座席周りのスペースを大きく取ることに成功。

これにより、従来の航空機と比べてゆったりと座れるようになっています。

 

 

MRJとライバル機の価格比較

 

 

MRJの価格は約45億円です。

それに対して、ブラジルのエンブラエムは約60億円

カナダのボンバルディアは45億円です。

 

 

世界最先端の技術を詰め込んだ機体にも関わらず、

予想以上に安い値段に仕上がっているのは驚きですね。

想像以上にお買い得で、コストパフォーマンスに優れています。

まさにオンリー・イン・ジャパンプライスです。

 

 

MRJはまだ販売は開始していませんが、予約販売は順次受け付けており、

今現在で30機体ほどの予約数が売れているそうです。

 

 

三菱航空機・MRJの勝機・問題点・改善点

 

 

以上、日本が誇る三菱航空機・MRJの性能比較でしたが、

スペック的にはライバルジェット機と互角以上に渡り合えるので

勝機は十分にあることはお分かりいただけたのではないかと思います。

 

 

しかし、肝心の航空実績は当然ながらゼロですので、

信頼性・安全性は証明されていません。

 

 

この問題点を改善し、解決するためにも、

日本国内を中心に航空実績を作り、信頼性を勝ち取って、

世界へ向けてジャパンブランドをアピールできるようになることが

今後の課題になるでしょう。

 

 

よくある質問 ボーイングとエアバスとMRJの関係性

 

 

最近、旅客機業界によく見られる質問に

「世界の航空機業界を圧巻しているボーイングとエアバスは

MRJのライバル・脅威とならないのか?」

という疑問が挙げられています。

 

 

しかし、アメリカ合衆国のボーイング社と

ヨーロッパ(欧州)共同メーカー・エアバス社は

元々搭乗者数200名~400名クラスの超大型ジャンボジェット機を

主力としており、100人以下のリージョナルジェット機は製造していません。

 

 

これは、「大きな製品のみに力を注いで利益を最大限にする」

という大手2社の経営方針・考え方なのですが、

日本政府と三菱航空機は、この巨大すぎる敵を相手にしないためにも

小型航空機産業に参入したと言われています。

 

 

つまり、現状日本の航空機産業界は、

ボーイング社とエアバス社とは直接ライバルとはなりません。

 

 

しかし、こうした三菱の戦略を考えると、

もしかするとあのホンダジェットも巨大企業を相手にするのが怖くて

超小型機の参入を目指したのかもしれませんね。

(コストがかかりすぎるという難点もありますけれど。)

 

 

追記:MRJの最大航続距離が短いという話について

 

 

近頃、インターネット上の最新ニュース速報や2chなどの掲示板で、

「MRJは良い機体だけれど、最大航続距離が短くて使い道が少ない!」

という感想・意見をチラホラ目にします。

 

 

確かに、MRJの一番小さなモデル最大航続距離(どれくらい飛べるか)は、

1530kmと、具体的な例を出すと大阪~北海道間の距離なので、

一見して近距離都市間専用にも見える短さです。

 

 

しかし、これはあくまでもMRJ最小モデルの航続距離です。

MRJは近距離専用のモデルの他にも、

中・長距離移動用のシリーズも開発しています。

 

 

長距離航空用のMRJの最大航続距離は、

実に3310キロメートル(1,780マイル)です。

これは大陸間の移動にも十分通用する航続距離の記録です。

 

 

実を言うと、三菱航空機・MRJは、

今後成長が期待されるアジア近辺の交通市場も視野に入れており、

近距離都市間移動用として航空距離の短い機体も製造していたのです。

(計画的!さすが天下のミツビシ戦術でした。)

 

 

 

はばたけ!日本の翼!! 

 

 

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